いつもと同じ時間に、お散歩に出た。
町は静まり帰っていた。
子供たちも歩いておらず、車も少ない。
普段は、子供たちの送り迎えや買い物に、車の往来が激しい時間帯。
今日は、子供たちと一緒に、お母さんたちも、家にいるからなのだろう。
公園も静か。
いつも以上に、鳥の声が大きく、聞こえる。
鳥の声にしばらく耳を澄ましていると、鳥たちは近くの仲間と会話しているようだ。
いろいろな声に溢れ、見慣れた鳥でも、今まで聞いたことのない声をもっていることに気付いた。
そうこうしているうちに、小学校の学童保育に通う子の一行に出会した。
ちゃっ、と伏せして見ています。マーベリック。
普段は、登下校が終わってからのお散歩だから、あまり会わないものね。子供たちが気になるね。
子供たちはみんな、伏せで見つめてくるマーベリックを少し避けて通っていく。
そんなに見たら、みんなこわがるよ
と私が言うと、
ボディガードはそうじゃなくっちゃ
と、さらにいきがるまべ。
普段と違う、静かな町を歩いて、たくさんの、新しいことに気がついた。
鳥の声。花の色。
日頃、働くお母さんお父さんの子供たちへの愛と
今日家や学童で育まれる、温かいまなざし。
空を見上げれば、色とりどりのいろいろなことが見える。聞こえる。
世界がこんなに、互いに愛しみ、育み、支え合う、流動体で出来上がっていただなんて。
こんな時だからこそ、心に芽吹かせられる何かがある。
振り返った時に、あのときは、貴重な経験をしたと
思えるように
この時を、生きていこう。
そんな今日は、世界野生動物の日だったりします。
こんな時だからこそ、目の前のこと、遠くのこと、すべてにあたたかいまなざしが注がれますように。