今日はマベレーヌさんと、やっと紅葉が始まったお散歩道を歩きます。
12月だから、もう秋とは言えないけれど、気分は秋のただなか。
ヴェルレーヌの”落葉”から、マベレーヌさんが口ずさみます。
秋の日の
ヴィオロンの
ためいきも
ひたすらに
身にしみて
ただ悲しい
鐘のおとに
胸がつまり
青ざめて
涙ぐむ
過ぎし日の
思い出よ…
わたしは
おちぶれたのか
ここかしこ
さだめなく
飛び散交う
赤い落ち葉よ
昔夢中になった海潮音。
海鳴りが耳鳴りのように心をざわめかせた。
しかしそんな海鳴りにひたれたのも、学生の頃だけだった。
今、私は、
だれしもが
おちぶれる
なんてことはない
ことを、知っている。
落ち葉はまた次の始まり。
美しいのは、刹那の奥に見える、つながっていく何かであることを、知っている。