まべが何かに気を取られると、てこでも動かなくなる。
「まべ、もう行こうよ!」と話しかけても、
その先、何度声をかけても、
てこでも動かない。
伏せてしまった。
「お友達、こっちには来ないから、さあもう行きましょう」
むだだとわかっていても、何度も何度も、声をかけてしまう。
何度声をかけても、この姿勢になったら、まべは、てこでも動かないのだ。
今日、マーベリックが見ているのは、はるかかなたに、豆粒のように小さく見える、わんこ。
人でもわんこでも、近くで挨拶できたら、気が済んでまた歩き出すんだけど、はるかかなたなるわんこ、こちらには来そうにない。
今日も、この散歩は長くなる…と、腹を決め、私は、上を見上げる。
低木の新芽がかわいい。
空に向かって、手をいっぱいに広げて深呼吸。
足元に目を落とせば、いろとりどりの花々。
みんな、手をいっぱいに広げている。
咲きはじめのつつじは透き通るように薄く、
カエデの新芽は、みずみずしくやわらかい。
カエデの葉は、夏には緑になるけれど、新芽のうちは赤い。
やわらかな新芽が春の紫外線で痛まないように、アントシアニンを分泌する。
その後、てこでも動かないまべを抱っこして、ドックランに入れた。
まだ、そっちの方向を見ている。
この先、家まで歩いてくれるだろうか…
ここからの家までの道のり、近いはずなのに、途方もなく長く感じる。
マーベリックとの近場散歩は、遥かなる旅路、いつどこともしれぬ、ロングロングジャーニー。
そんな今日は、#アースデイ
地球環境について考える日?であったことを思い出した。
地球をゆっくり歩いて帰ろう…