3年ほど、広島に住んだことがある。
その時、一度だけ、平和式典に参加した。
朝から暑い日だった。
一堂に会した皆が、一心に、平和を願う、その空気感は、その場に居合わせて初めて味わうものだった。
ふと、会場が静かになり、蝉の声だけが響く瞬間があった。
その時に、平和とは、人々の思いでできているんだということを感覚した。
思いは、引き出さないと、実現しない。
それから十数年が経ち、我が家には、平和が、当たり前の風景となった。
板付の平和。
絵に書いたような平和な図が、ここにあるけれど、家の中の平和が保たれている間に、いつの間にか、外の景色が変わり始めていることもある。
平和な時にこそ、その反対側の世界を思い描くことが必要なのかもしれない。
8月6日
想像の翼を、外に出して
祈る
ひとつ、ひとつの平和な風景が
広がっていくように