今日は、公園のバラを見に来た。
おまべさん、おまべさん、バラがきれいですね。
えっ?
バラの前で、こんな顔して、いきなりそのセリフ・・・
もしかして、レイモンド?
レイモンド・まべンドラーさんですか?
優しくなければ生きる資格はない
バラの花を前にして、その渋顔ができるなんて、ただものではありません。
そしてなにより、そのセリフ。
こちらはハードボイルド小説の巨匠、まべンドラーさんに間違いないですよね?
まべンドラーさんも、そのセリフを実践されているのですか?
もち。
渋すぎです!
そうときたら、おまべさん、今日は思いっきり、ハードボイルドに歩くとしましょう。
私は秘密裡に、お散歩から帰ったら、かたくゆでた卵を食べようと計画を企てる?
ぼこぼこに沸騰するお湯の中で
転げるたまごをすくい上げ
机の上に置いたなら
たまごは、ぼこんと爆発し
たちまち蒸気に包まれる・・・?
こうして今日も物語が蒸留されていき、
とびっきりチャンドラー風に、
”科学が引いた道の上を、物語によって温められた心で” もって、
おまべとふたり、
かたゆでたまごに歩きます。
「魔力なくして芸術はない、芸術なくして理想はない、理想なくして誠実な人生はない」レイモンド・チャンドラー
無性に、この渋さにいぶされたくなる、そんな秋の日のバラ園でした。